「不思議の国のフランス」第38話の受講メモです。
モンマルトルの空のもとで歌うディノさんへのインタビュー最終回です。
今回はディノさんが歌うことを始めたというサクレクール寺院の階段や、前回も登場したバトーラボアールとテアトル広場を案内します。彼がパリに抱いているアンビバレントな感情も話してくれました。
ディノさんはモロッコ出身でパリに来たのは大学生の時。生粋のパリジャンとは違った「パリ観」を持っています。
今回もまず3つのキーフレーズと、パリに対する複雑な感情を言いたいときに使える表現を紹介します。「好きだけど嫌い」、そんな気持ちを言い表す表現、覚えておくと使えそうです。
3つのキーフレーズ
1.場所を説明するときに使う関係代名詞 où
On respire ! Et c’est là-bas où j’ai commencé à chanter en fait.
ああ、いい空気。実は僕はあそこで歌い始めました。
respirer は 息をする という意味ですが、ここでは、息をつく、という感じ。ずっと室内にいて、外に出た開放感を表しています。
où 場所を表す単語の説明をするときにつける関係代名詞。
Voilà la ville où mon père habitait pendant la guerre.
ここが戦争中に私の父が住んでいた街です。
Le village où nous habitons est situé près de la mer.
私たちが住んでいる村は海の近くにあります。
2.似顔絵を描いてもらう
En français on dit «se faire tirer le portrait».
フランス語では「似顔絵を描いてもらう」と言います。
se faire tirer le portrait 似顔絵を描いてもらう、肖像画を描いてもらう、肖像写真を取ってもらう
tirer は ある物を元にして別の何かを得る、ということ
faire tirer une photo
写真をプリントする
3.à + laquelle とそのバリエーション
C’est une ville à laquelle on est attachés.
そこは(パリのこと)私たちが愛着を抱いている街です。
être attaché à ~に愛着を抱いた
Elle est attachée à ce pays.
彼女はこの国に愛着がある。
à + laquelle
C’est une ville.
On est attachés à cette ville.
の2つの文を関係代名詞を使って結びつけるとき、être attaché à の前置詞 à は関係代名詞の前に出ます。そういうとき、que は使えません。
他の例:
C’est une village auquel on est attachés.
village が男性名詞なので quel その前の au は à + le の縮約です。
C’est une personne à qui on est attachés.
personne が人なので、 qui を使います。
詳しくは以下の記事をどうぞ:
関係代名詞のlequel, laquelle, lesquels, lesquellesについてわかりやすく解説
ディノさんの語るパリの二面性
パリは好きかどうか聞かれてディノさんはこう答えていました。
Alors donc, Paris, je pense que vous pouvez demander aux Parisiens et je peux parler au nom des Parisiens…c’est quelque chose que tout le monde dit, les gens qui habitent à Paris.
On dit que la relation avec paris, c’est uen relation ambigüe. C’est une relation parfois contradictoire, c’est une ville qu’on aime tellement, à laquelle on est attachés.
Mais dès qu’on sort de Paris, ça commence un peu à nous manquer mais quand on est à Paris, parfois, c’est une grande ville avec beaucoup de personnes et c’est …comment dire… Paris, c’est magnifique, mais parfois il faut sortir. Aller ailleurs.
パリについて、それはパリジャンに向けられる質問ですね。私もパリジャンとして答えることができます。これは、パリに住んでいる人はみんな言うことです。
よく言われるのですが、パリとの関係ははっきり「これ」と言うことはできません。時には、矛盾している関係です。パリはみんな大好きで愛着を持っています。
パリを出ると、すぐに恋しくなります。しかし時に、パリはたくさんの人がいる大都会でして、何と言ったらいいのか、パリは素晴らしいです。でも時にはパリの外に出る必要があります。別の場所に行くのです。
パリは楽しいけど、たまには外に出ないと息がつまるという感じでしょうか。インタビューの最後でもディノさんは、コミュニケーション不足で、公共精神をなくしてしまいがちなことや、騒音などの公害もパリの問題としてあげていました。
確かにパリはいろいろな民族の人が住んでいるし、観光客も多いので、人間関係で問題が起きることも多そうです。
フランス人で、パリに住んでいない人の中には、露骨に「パリは嫌い」とか「パリの人は冷たい」と言う人も多いです。
ディノさんは教養があるので、丁寧な表現をしています。
今回ディノさんが案内してくれた場所については前回の記事で詳しく書いています。
モロッコ出身のディノさん、とても明るくて性格のよさそうな人です。同時に、とても礼儀正しく教養もある方です。日本語も得意だそうです。
フランスネイティブじゃないせいか、フランス語もゆっくり話してくれてありがたかったです。
モロッコは地中海を挟んで、フランスとスペインに面している、フランスからとても近い国。
この国の公用語はアラビア語ですが、フランスの旧植民地だったので、かなりフランス語が通じます。2つある国営放送の1つはフランス語だそうです。
ディノさんは子どものときから2ヶ国語を話していたのでしょうか?
そのあたりのことを聞いてみたいものです。今回で彼のインタビューは終わりましたが。
もしディノさんに個人的に何か聞きたいときがあるときは、フランス語を一応しゃべれるようにして、モンマルトルに行けばいいですね。
いつもそこで歌を歌っているそうですから。
それでは次回の「不思議の国のFrance」の記事をお楽しみに。次回は、リール出身のアガットがパリを案内してくれます⇒記事、書きました。パリに住むメリットは何ですか?dontを使って答えてください |
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