フランスは今、猛暑に見舞われています。今回はシーリングファンを取り上げた2分ほどの短いニュース動画を紹介しますね。
タイトルは、Avec la canicule, le ventilateur de plafond fait son retour(猛暑とともにシーリングファンが復活)です。
長さは2分。フランス語の字幕(ハードサブ)がついています。
動画の内容
昔ながらのシーリングファンが、猛暑をきっかけにフランスで見直されている、という内容です。
かつて祖父母の世代には人気があったのに、フランス本土ではすっかり時代遅れになってしまい、今では設置している住宅はほんの2.5%ほどだそうです。
海外県では20〜30%、アメリカでは60%を超えるというので、フランス本土の低さが際立ちます。
それでもシーリングファンには利点がたくさんある、と動画は続きます。
エアコンよりずっと安く、電気代も抑えられ、体感温度も下げてくれます。
しかも昔より静かで、デザインも進化しています。2024年からは、設置に住宅改修の補助金 MaPrimeRénov’ が使える場合もあるとのこと。
ただし一つだけ注意点があって、ある程度高い天井が必要です。くわしい数字は、このあとの重要フレーズで取り上げます。
重要フレーズ
動画の中から、私が気になったフレーズを5つ紹介します。
1. 冒頭のちょっとした冗談(0:01〜)
Qui c’est qui a pensé à mettre un ventilateur au plafond parce qu’elle habite à Montpellier et que depuis tout le monde en a besoin ? C’est Bibi. En vrai c’est complètement mon architecte, mais bon, passons.
モンペリエに住んでいるから天井にファンをつけようと思ったのは、誰でしょう? しかも今では、みんなが必要としていますよね。この私です。実を言うと、全部うちの建築士のアイデアなんですけど。まあ、それはさておき。
Qui c’est qui は、Qui est-ce qui(誰が)にあたる、かなりくだけた話し言葉です。
elle は話し手自身のこと。自分をわざと三人称で言って、おどけた調子を出しています。
C’est Bibi. も口語で、c’est moi(この私です)と同じ意味です。
en a besoin の en は de ça(それ=シーリングファン)を受けています。
2. 時代遅れになった、という話(0:15〜)
Très populaire à l’époque de nos grands-parents, le ventilateur de plafond ou brasseur d’air est rapidement devenu ringard en France hexagonale.
祖父母の時代にはとても人気があったシーリングファン、別名 brasseur d’air は、フランス本土ではあっという間に時代遅れになりました。
ringard はダサい、時代遅れという意味。
brasseur d’air は直訳すると空気をかき混ぜるもので、シーリングファンの別名です。
France hexagonale は、六角形に近いフランスの形からきた言い方で、海外県に対してフランス本土を指します。
3. エアコンとの電気代の比較(0:56〜)
Un brasseur d’air consomme 25 à 40 fois moins d’électricité qu’une clim, pour un service rendu qui peut être comparable.
シーリングファンはエアコンに比べて、電気の消費が25〜40分の1です。しかも得られる快適さは、同じくらいになることもあります。
25 à 40 fois moins d’électricité は「電気の消費が25〜40分の1」という意味です。fois moins de … の使い方は、このあとのプチ文法でチェックします。
clim は climatiseur(エアコン)や climatisation(冷房)を短くした、口語的な言い方です。
4. 体感温度が4度下がる(1:04〜、1:18〜)
Et surtout, il permet de gagner environ 4 degrés en moins de température ressentie. (…) Et 4 degrés en moins en période de canicule, c’est toujours ça de pris.
そして何より、体感温度をおよそ4度下げてくれます。(中略)猛暑のときに4度下がるのは、それだけでもありがたいですよね。
température ressentie は体感温度のこと。
c’est toujours ça de pris は、それだけでも儲けもの、ないよりまし、という決まり文句。
5. 天井の高さという注意点(1:41〜)
Celle-ci est généralement de 2,50 m, sauf que pour des raisons de sécurité, il est préconisé de laisser 2,20 m voire 2,30 m entre le sol et les pales. Il faudra donc choisir dans les modèles les plus plats, faisant entre 20 et 30 cm.
天井の高さはふつう2.5メートルですが、安全のために、床と羽根の間は2.2メートル、場合によっては2.3メートルあけることが勧められています。
ですから、高さが20〜30センチほどの、いちばん薄型のモデルから選ぶことになります。
préconiser は勧める、推奨するという意味。
voire は「さらには」「場合によっては」と、前の内容をもう一段強めるときに使います。
les plus plats はいちばん平たい、いちばん薄型のという意味で、天井が低いと羽根が近くなって危ないので、背の低いモデルを選ぶ、ということ。
pale は羽根、ブレードのことです。
単語メモ
ventilateur de plafond シーリングファン、天井扇
brasseur d’air シーリングファンの別名(直訳は空気をかき混ぜるもの)
ringard 時代遅れの、ダサい
France hexagonale フランス本土
départements d’outre-mer フランスの海外県
climatiseur / clim エアコン(clim はその口語)
facture d’électricité 電気代の請求書
alléger 軽くする、軽減する
bioclimaticien 建物の省エネ・気候設計の専門家
température ressentie 体感温度
brassage かき混ぜること、空気の撹拌
préconiser 推奨する、勧める
voire さらには、あるいは
sol 床
pale (扇風機などの)羽根、ブレード
MaPrimeRénov’ フランスの住宅省エネ改修の補助金制度
プチ文法:比較の表現(moins、fois moins、en moins)
この動画には、比較の言い回しがいくつか出てきました。
まず、moins + 形容詞 + que 〜(〜より…でない)。
Le ventilateur est moins cher que le climatiseur.
シーリングファンはエアコンより安いです。
次に、動画に出てきた X fois moins de + 名詞(〜のX分の1の…)。
Il consomme trois fois moins d’électricité.
それは電気の消費が3分の1です。
X fois moins は、直訳すると少し紛らわしい表現ですが、ふつうはX分の1という意味で使われます。
反対に、X倍多いと言うときは X fois plus を使います。
Cette pièce est deux fois plus grande que l’autre.
この部屋はもう一方の2倍の広さです。
最後に、4 degrés en moins の en moins(〜の分だけ少なく)。de moins も同じように使えます。
J’ai payé dix euros de moins.
私は10ユーロ安く払いました。
猛暑(カニキュル)とは・関連動画
そもそもカニキュル(canicule)とは何なのか、言葉の由来もふくめてやさしく説明している動画を紹介します。
フランスの教育アニメ『1 jour, 1 question』の1本です。
1分42秒。
この動画のトランスクリプションとその和訳はこちらの記事で紹介しています⇒猛暑をフランス語でなんと言う?
内容をかいつまむと、こんな感じです。
カニキュルとは、昼も夜も厳しい暑さが少なくとも3日は続く期間のこと。
おもに、1年で最も気温が上がる6月から8月に起こります。熱波とも訳されますが、この記事では猛暑と呼んでいます。
言葉の由来はラテン語で小犬を意味する canicula からきています。
これはおおいぬ座でいちばん明るく輝く恒星シリウスのこと。
昔の人は、夏になるとこの星が太陽と同じころに昇ってくることから、厳しい暑さをもたらすと考えていたそうです。
動画では危険と対策にも触れています。
こまめな水分補給、いちばん暑い正午から16時ごろの外出やスポーツは控えること。
高齢者、乳幼児、妊婦はとくにリスクが高いそうです。
まあ、日本の方はよくご存知ですよね。
動画でも紹介されていますが、フランスは2003年に歴史的な猛暑に見舞われました。
猛烈な暑さが半月ほど続き、平年より1万5,000人ちかく多くの人が亡くなりました。
これをきっかけに、国は毎年夏に備える熱波対策計画(plan canicule)を作るようになったとのこと。
当時は社会が猛暑にほとんど備えていなかったことも、被害を大きくした一因といわれています。
もし今と同じ暑さが当時の状況で起きていたら、被害はもっと大きかったかもしれません。
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シーリングファンの動画を紹介しました。
私も昔、とても古い家に住んでいたことがあって、そこにシーリングファンがありました。
キッチンの横、たぶんダイニングだった場所です。私はそこにパソコンを置いていました。
一度だけものすごく暑い夏があって、そのときはよく回していました。たしかに涼しく感じられました。
カナダの夏は、昼間は暑くなっても朝には気温が下がるので、冷房のない家も多かったんです。
ところが最近は暑い日が増えて、エアコンを備える家がだんだん増えてきました。
この猛暑、年々ひどくなりそうで少し心配です。
みなさんのところはいかがですか。無理せず、水分をとってお過ごしください。
それでは、次回の記事もお楽しみに。












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