フランスの2月はカーニバルのシーズンです。フランスのお菓子、今回は、カーニバルの屋台の定番であるベニエ(beignet, beigne)またの名をビューニュ(bugne)を紹介します。
ベニエもビューニュも同じもので、シンプルな揚げ菓子です。リヨンではビューニュと呼ぶみたいです。小麦粉を卵とミルクで溶いて油で揚げて砂糖をかけます。形は地方によってさまざまです。ドーナツのようなものですが、気持ち固かったり、カリカリしています。
カーニバルとは?
カーニバルは日本語で言うと謝肉祭。これはローマ・カソリック系の国で、四旬節直前に3日~1週間ほど行われるお祭りのこと。
四旬節は復活祭の前の40日間(6週間)のことで、敬虔なキリスト教徒は断食や修行や鍛錬を行います。自分の罪やキリストの受難について思いをはせるようです。
その前に、肉を含むおいしいものを食べておこう、というのがカーニバルの主旨です。カーニバルの語源はラテン語で「肉を断つ」です。
今年、2016年のイースターは3月27日です。四旬節が始まるのは教会によって違うと思いますが、2月16日ぐらいでしょうか?今年に限って言えばもうカーニバルは終わっていますね。
復活祭やカーニバルについては関連記事を参照してください。
かわいいフランス語教えます~その56 カーニバルに関する単語
カーニバルのベニエの作り方(動画)
これはロレーヌ地方のベニエだそうです。
ベニエの材料
Ingrédients pour les beignets de carnaval :
300g de farine 小麦粉
2 sachets de sucre vanillé バニラシュガー(バニラ風味の砂糖) 2袋
4 c à s de sucre 砂糖大さじ4 ※c à s はcuillère à soupe の略で大さじ
3 œufs 卵
80g de beurre fondu 溶かしバター
2 c à s d’alcool 洋酒大さじ2
1 sachet de levure chimique ベーキング・パウダー
1 pincée de sel 塩ひとつまみ
作り方
1.ボールに小麦粉を入れる
2.卵を割り入れる
3.塩ひとつまみ入れる
4.バニラシュガーを入れる
5.ベーキング・パウダーを入れる
6.アルコールを入れる これは風味付けです。好きなお酒でいいでしょう。
7.溶かしバターを入れる
8.砂糖を入れる
9.すべてを混ぜ合わせる(生地は固めにしてください。ゆるすぎたら適当に小麦粉を投入)。
10.室温で(à température ambiante)で2時間ぐらい生地を寝かせる。生地が乾かないようにボールにラップなどするといいでしょう。
11.打ち子をして生地を伸ばす。
12.パイカッターみたいなので切って揚げる(形は動画参照)。
13.粉砂糖をたっぷり(généreusement)ふりかけてできあがり。
油の温度は言ってないような気がしますが、160~175度あたりでしょうか。ドーナツをあげる要領です。
揚げたてはとてもおいしいと思います^^
りんごのベニエの作り方
こちらはりんごのベニエです。これもお祭りでよく登場するベニエです。
りんごのベニエの材料
Ingrédients pour les beignets aux pommes :
2 belles pommes type Golden りんご ゴールデンデリシャスのことでしょうか?
2 c à s de rhum ラム酒大さじ2
1 gousse de vanille バニラビーンズひとさや
Pour la pâte à beignets : 衣の材料
250 grammes de farine 小麦粉
2 œufs 卵
25 cl de lait ミルク 250cc
60g de sucre semoule セモリナシュガー。粉砂糖と同じようなものみたいです。
1 c à s de rhum Negrita ネグリタ・ラム ネグリタは商標です。
作り方
[りんごの準備]
●りんごを輪切りにして芯を取る
●バニラをこすりつける
●ラム酒(大さじ1)をかける
[衣の準備]
A:粉類を合わせて生地を作る
●ボールに小麦粉を入れる
●塩をひとつまみ入れて混ぜる
●卵の黄身を入れる
●ミルクを入れながら混ぜる
●ラム酒(大さじ1)を入れて混ぜる
B:メレンゲを作る
●白身を泡立てる。動画でやっているように、ボールを傾けて、泡立てると泡立ちやすいみたいです。
●砂糖を入れる(sucre semoule)
●白身をしっかり泡立てて固いメレンゲを作る
Aの生地にヘラでメレンゲを合わせる
[りんごを揚げる]
りんごに衣をつけて揚げる
粉砂糖をかけてできあがり。
りんごの代わりにバナナや他の果物を使ってもいいです。sucre semoule は粉砂糖と同じだと、このページにありました⇒Larousse Cuisine – Sucre フランスに行けば、sucre semoule と袋に書いてあるはずです。
cl は centilitre センチリットルのことで、100分の1リットルです。
次のフランスのお菓子はこちら⇒ビスキュイ・ド・サヴォアのレシピと作り方:フランスのお菓子(16) | フランス語の扉
ベニエはとても簡単に作れますが、フランスの人は、もっぱら屋台で買って食べるようです。家で揚げ物すると台所が汚れますからね。
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