クラシエの「いち髪」という名前のシャンプーのCMに出てくるフランス語を勉強しました。
きょうのは2012年のもの。ホームページのCMギャラリーのアーカイブから『少年の恋 濃密W保湿篇』を選びました。
少年の恋 濃密W保湿篇
では、CMをごらんください。
15秒
少年:«Ichi-kami», alors, c’est ça, la raison de sa beauté, son secret.
女性:Sois gentil avec les filles.
少年:Les Japonaises, elles sont vraiment trop belles.
少年:「いち髪」。そうか、これか。これがあの人の美しさの理由、そして彼女の秘密なんだ。
女性:女の子にやさしくね。
少年:日本の女性はほんとうにすごくきれい。
なぜ堀北真希は「女の子にやさしくね」と少年に言っているのでしょうか?
女の子をいじめてる現場ならわかるんですがシャンプーを手にとってじっと見てるだけなのに。
まあ、このCMの目的はシャンプーの宣伝ですから、話の流れはべつにどうでもいいのかもしれません。
そんなこと考えだしたら「そもそもどうしていきなりフランス語で話しかけるんだよ?」
と思ってしまいますね。だって少年の台詞は全部彼の心の中の言葉ですから(たぶん)。
Sois gentil avec les filles としましたが、
des filles なのか les filles なのか今ひとつ確信が持てません。
たぶんLだと思うんですが。
des filles と不定冠詞をつけると、ばくぜんと女の子たち
les filles と定冠詞をつけると共有されている情報として、女の子全員、あるいは一般に女子
この場合どっちでもいいような気もしますが、
やはり定冠詞でしょうか。
LとDは発音するとき舌の位置が似てるから紛らわしい音になりがちです。
LとRと比べた場合、フランス語ではRの発音が難しいと言われています。それは英語も同じです。が、もしかしたらLの発音のほうが難しいのかもしれません。
というのも、私は英語を話しているとき、何も意識せず、日本語の「らりるれろ」式でRあるいはLを発音すると、文脈にもよりますが、どちらかというとRとしてとられることが多いのです。
Lの発音はスペイン語ふうに、舌を少し外にだして歯でかんだほうが、我々日本人が舌を前歯のうしろにべたっとつける(つもりでいる)よりも、通じやすい、と何かで読んだことがあります。
とはいえ、いくらLをしっかり発音するべきだといっても、このCMの文の場合は、冠詞なので、そんなに強調する部分ではありません。
難しいですね。
覚えておくと役立つ単語
beauté 美しさ
「ボーテ」とコスメ関係の日本語になっています。
secret 秘密 英語と全く同じつづりですが発音はスクレ(レはRの発音)
gentil, gentille 親切な
être gentil avec [pour]誰々 誰々にやさしくする
Sois gentil avec les filles. は命令法
このsois はêtreが命令法になるために活用した形です。
命令といっても、フランス語の場合、お願いしたり、誘ったりするのもみんな「命令法」といいます。
ここでもそんなきつい感じではありません。
15秒のCMひとつとっても、たくさんの学びがありました。
★「再会編」はこちら→堀北真希「いち髪」CMのフランス語 その1
★「ブランド編」はこちら→堀北真希「いち髪」CMのフランス語 その3
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編と篇の違い:penの素朴な疑問コーナー
さて、このCMのタイトルを見たとき、ひとつ疑問がわきました。
それは、編と篇とどうちがうのかということです。
前々から気になっていたので調べてみました。
大辞泉で見たところ
篇:ひとまとまりの詩歌や文章 例として、長篇、短篇
書物の部分け 前篇、後篇
・・・中略・・・
編を代用字とすることがある。編:糸でとじて書物を作る。文章を集めて書物にしたてる 編纂(へんさん)
・・・中略・・・
篇の代用字
とありました。なるほど「保湿篇」は「篇」を用いるのが正式ですね。
ちなみに、篇は人名には使えますが、常用漢字ではありません。
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