キャラバン・ショップ

虎と小鳥のフランス日記

パリのポップ・アップ販売その2~キャラバン・ショップ「虎と小鳥のフランス日記」第103話

今週の「虎と小鳥のフランス日記」は第102話 ポップアップ販売その1の続編で、またポップアップショップが舞台です。

といっても今回は店舗の中ではなく、キャンピングカーでイベントに参加した女性が登場していました。キャンピングカーが店舗になっており、これをキャラバン・ショップ(Caravan shop)と呼びます。

店舗を持っている大手の売り手がマーケティングの一貫として、意外な場所に開くのもポップアップですし、このように車で出現してもポップアップショップですね。

きょう紹介するキャラバン・ショップの方は、常にこの車で仕事をしているようですが、たとえば、いつもはインターネット中心に仕入れや販売をしている場合でも、短期間だけショップを開き、お客さんと直接やりとりすることはとても有意義なことですね。

今回のエピソードの私の思う見どころは
・怒涛のように早く、長い話の聞き取り方のポイント(=流れをつかむようにする)
・自分の夢の語り方
・キャンピングカーの中にあるヴィンテージ・ファッション

3つのキーフレーズ

それでは、いつものように三つのキーフレーズをご紹介します。今回ちょっとどれも長いです。

すべてキャラバンショップ内で、カミーユが店のオーナーにインタビューしています。

キーフレーズその1

カミーユに店の概要を聞かれて

それから日によっても(売り物が)変わります。というのも、きのうは全部キャラバンの外で売りましたが、今朝は、ほら、また車内に入れなおしました。天候や、私の気分しだいで変わります。

キャラバン・ショップ

Et même d’un jour à l’autre, parce qu’hier j’ai tout de…tout sorti du camion et tout rechargé ce matin, en changeant en fonction de la météo, de mon humeur, enfin voilà.

キーフレーズその2

これが、私の選んだもの(=コレクション)です。それから、古着はみんな洗って、アイロンをかけ、私が丁寧にチェックして、たとえば小さなボタンがとれていたら、縫い直します。

キャラバン・ショップ

Voilà. Donc c’est mon tri. Après, tout est relavé, tout ce qui est d’occasion a été relavé euh, repassé, vérifié par mes soins, recousu si y’a un p’tit bouton qui s’enlève.

キーフレーズその3

もっと大きいキャラバンがほしいかどうか聞かれて

エアストリームが欲しいと思ってるわ。アメリカ製のエアストリームなんですけど、とっても素敵なんです。

キャラバン・ショップ

Moi, j’adorerais avoir une airstream. Une caravane airstream, américaine, là. Ça c’est…trop bien.

「虎と小鳥のフランス日記」で展開される会話を先生は「野生のフランス語」などと言われます。リアルな現場の会話なので、必ずしも文法通りにきっちりと単語が並んでいません。今回は特にその傾向が強いので、意味は参考程度にとどめてください。

覚えておくと使えそうな表現

en changeant en fonction de la météo, de mon humeur, enfin voilà.
要するに、天候や私の気分によって変わります。

外で売ることもあるけど、車内で売ることもある。それは天気と私の気分次第、ということでしたが、これはジェロンディフというフレーズで、文章ではありません。

何かを言ったあと、付け足しとしてこのまま使うといいのではないでしょうか。

きょうは仕事に行かないの?うん、行かない。それは、天候と気分次第、といいう場合や、何かのイベントの日程は天候次第で変わる、という時などに。

voilà
voilàはいろんな意味があり,会話をつなぐ間投詞としてもよく使われます。

・質問や呼ばれたときに「はい」という返事
-Et c’est toi qui écris tes textes, et qui compose ?
-Voilà
それで歌詞を書いて曲をつけているのはあなた?
うん。

・これで終わり、という締めの言葉(キーフレーズ2ではそんな感じ)
Voilà, c’est tout pour aujourd’hui.
では、きょうはこれまで。

・ほら、見てのとおり、こんな感じですと言いたいとき。
Voilà, c’est fini.
はい、ごらんのとおり売り切れです。
この場合は両手を広げるジェスチャーをつけると感じが出ます。

Moi, j’adorerais avoir une airstream.
私はね、エアストリームがすごく欲しいわね。

adorerais は adorer(熱愛する、大好きである)の条件法です。ここでは j’aimerais (~がしたい、~がほしい) と同じような意味で、願望を語っています。

条件法が使われているのは「実現は難しいかもしれないけど、できたらいいわね」というニュアンスがあるからです。

きょうの豆知識:キャラバンとは?

caravane キャラバン
これは、日本語にもなっていますね。砂漠をグループ(隊)になって、旅をする商人のことです。

そこから転じて、宣伝、販売、何かの調査、何かのエンターテイメントの提供と目的はいろいろあっても、固まって旅をする人たちのことをキャラバンと呼びます。

そして、集団で旅をするときに使う乗り物(幌馬車など)もキャラバンと呼ばれるようになり、キャンピングカーもキャラバンになりました。

最近はキャンピングカーに住んでる人もいますね。これはトレーラーハウスとも呼ばれます。

こちらは今回登場した女性が「ほしいわ~」と言っていたアメリカのエアストリームのひとつです。エアストリームはとっても贅沢なキャンピングカーです。

2012 Airstream Classic Limited 31′ – Rear Queen Travel Trailer RV
2分38秒

31フィートなので、9メートル半ぐらいですね。もちろんもっと短いのもあります。

もう少しコンパクトな6メートルあたりの物が、一般人には人気があると思います。こんな車、日本では邪魔になるだけだと思うのですが、アメリカではキャンプ大好きという人たちが多いので、需要があるのです。

彼らは、ふだん文明生活を享受しすぎており、たまにキャンプに行ってバランスを取らないと生きていけないのかもしれません。

きょうのアルバム:キャラバンカーの中

キャラバンカーの中をご紹介します。オーナーは細心の注意をはかって古着のケアをしていると言ってるだけあって、ディスプレイもきれいでした。連れの男性が座って待てるようにベンチも用意されています。

キャラバン・ショップ

最近、ノマドワーカーという自宅のみならず、スターバックス、マクドナルド、その他の喫茶店、あるいは屋外で、ノートパソコンやタブレットの端末を使って働く人たちが注目を集めています。

nomadはもともとは遊牧の民、放浪者という意味です。

ノマドにキャラバン、技術の進歩により生まれた今日的な仕事のスタイルは、よく見ると、昔の商人のスタイルであるところがおもしろいですね。

ということは時代がもうひと回りして、何か新たな技術が生まれると、またみんな、オフィスに戻っていくのかもしれません。それはないでしょうか?

この店についてこちらでさらに詳しく紹介しています⇒パリのキャラバン・ショップのすべてをあなたに

★ファッションがテーマの「虎と小鳥のフランス日記」のエピソードです。
第102話 ポップアップ販売その1

第93話 ライブ用のメイクアップ@イヴ・ロシェ

第91話 パリジェンヌのブティック

第62話 レペット(オペラ地区)で靴を買う

第32話 マルシェ・レトロ

第30話 チープアンドシック

第8話 サマーショップ

第7話 マダムベルガモット

車が店舗だと、どこでも店を開けて便利ですね。






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