マンチェスター

時事ニュース

イギリス、マンチェスター・アリーナでの自爆テロ事件

またイギリスで悲しい事件がありました。

2017年5月22日の夜、マンチェスターのコンサート会場で、自爆テロだと思われる事件が起きました。ISIS(イスラム国)が犯行声明を出しています。現在のところ、死者22人、負傷者は59人です。

この事件を伝えるフランスの子ども新聞、1jour1actuの記事を紹介します。



マンチェスター:コンサート会場でのテロ攻撃

Manchester : un attentat vise une salle de concert

イギリスのマンチェスターで、月曜の夜、テロがあり、22人が死亡、59人が怪我をしました。犠牲者は、アメリカの歌手、アリアナ・グランデのコンサートの観客です。

1jour1actuでは、何が起こったのか説明します。

月曜の夜、午後10時30分頃、英国のマンチェスターで、ある男性がコンサート会場から立ち去る人々の間で、爆弾を爆破させました。これにより、子どもやティーンエイジャーを含めて22人が死亡、59人が怪我をしました。

爆発が起こったときは、テロだとはわかっていませんでした。単独犯のようです。

この自爆テロはとてもショッキングなできごとです。なぜなら、犯人はアリアナ・グランデの歌を聞き、楽しむためにやってきた若者を狙ったからです。グランデはアメリカのポップとR&Bの歌手です。

Brisée 打ちのめされた

この恐ろしいできごとの数時間後、24歳の歌手、グランデはTwitterにメッセージを投稿しました。「打ちのめされています」「残念です」そして「言葉もありません」と。

3月のロンドンのテロにつづいて、この事件は、英国での今年2回めのテロです。2015年にはパリで、2016年にはニース、ブリュッセル(ベルギー)でもテロがありました。

Situation de crise 危機的状況

火曜日の朝から、イギリスの首相、テレーザ・メイの官邸があるダウニング街10番地では半旗が掲げられています。メイ首相は過去12年で最も死者の多いテロに直面しています。

3週間後の6月8日に行われる総選挙のキャンペーンも中止されました。

世界中から、マンチェスター市民を支える声が届いています。フランスでは、新しい国務大臣のジェラール・コロンがセキュリティを強化するための緊急会議をすることにしました。

単語メモ

élever (困難、障害などを)引き起こす

brisée 打ちひしがれた

drapeau en berne 半旗

meurtrier 殺人の、破壊的な

関連動画など

マンチェスターのテロの事件を伝えるFrance24のニュースクリップです。

アリアナ・グランデのツイートはこちらです。

現在のところ、容疑者はサルマン・アベディという22歳の大学生です。彼は、リビア出身の両親のもと、イギリスで生まれ、地元の大学に通っていました。

彼はISのテロリストグループの一員であるらしく、事件後、4人が逮捕されています。

イギリスは警戒態勢を10年ぶりに最高レベルに引き上げました。これはOperation Temperer(オペレーション・テンペラー)と呼ばれ、政府は、3800人の武装した警察官を、街中に配します。

マンチェスターはイギリスの北西部にある都市で、産業革命のときに工業都市としてひじょうに栄えていました。ただ、1960年以降はイギリス全体が不況になり、マンチェスターの経済もどんどん悪化し、人口も減っていきました。

1980年代以降、マンチェスターは今度は商業都市としてよみがえり、現在は、イギリスにおける都市の位置づけとしては、バーミンガムとならんで、2位、3位あたりと考えられています。

まあ、大きな都市で人口も多いです。だからこそ、アリアナ・グランデのコンサートも行われたわけです。

いったん減った人口も増えていき、特に白人でない人がたくさん流入し、多民族、多文化社会です。地元の人たちは今、支え合っているようで、献血をしていた人のニュースをYouTubeで見ました。



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イギリスはEUを脱退しつつあるわけですが、ヨーロッパの国の間の行き来を制限したとしても、自国でテロリストが育っていたらどうしようもないわけです。

中東ではなく、先進国で生まれ育ったからこそ、差別やら何やらで不満を持った若者が、ISの人たちにうまくからめとられる、というケースが多いのかもしれません。

リビアでは、イスラム過激派が勢力を伸ばしています。

今回のテロは、ファン層がティーンエイジャーである、アリアナ・グランデのコンサートで起きたため、犠牲者には若者が多いですね。8歳の女の子の写真が、何度もニュースに出てきます。

コンサートの前は、警戒が厳重でも、終わったあと、というのは観客はもちろん、セキュリティもそんなに緊張していません。そこを狙ったわけですね。

今後、いろいろな場所で、警戒がきびしくなりそうです。

テロリストにこんなことを言っても、仕方ないかもしれませんが、もっと命を大事にしてほしいと思います。






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